GCPとは「Google Cloud Platform」の略であり、Googleがクラウド上で提供しているサービスの総称です。近年さまざまなソリューションのクラウド化が図られていますが、どういうメリット・デメリットがあるかわからないという方も多いのではないでしょうか。
GCPについてまだ詳しくない方に向けて、GCPを導入するメリットにはどのようなものがあるのか整理してみます。
AWSやAzureなど他のクラウドサービスも検討されている方は参考にしてみてください。
GCPのメリットのひとつに、インフラ環境がとても安定しているという点が挙げられます。
GCPはGoogleが提供しているサービスのため、Google検索やYouTube、Gmail、Googleマップなど世界のインターネットサービス基盤を支えるインフラを利用することができます。
世界中から大量のアクセスがあっても高速かつ安定したレスポンスができるので、高いパフォーマンスが期待できます。
GCPのインフラ環境は膨大なトラフィックにも対応できる設計で、急なアクセス増加など過酷な負荷にも耐えられる仕組みになっています。また、自動スケーリングやサーバーの起動も速いという特徴も。Googleが独自に開発したネットワーク機器を利用しており、ネットワークスピードが優れています。
このように、GCPはインフラとしての安定性が高く、通信やデータ処理速度にも定評があることから、例えハードな環境下であっても業務効率を下げず安定した成果をあげることができるでしょう。
近年注目されているビッグデータは、一般的なデータベースソフトウェアでの分析能力を超えた膨大で複雑なデータ群のことを指します。
GCPにはBigQueryに代表される優れたデータ分析ツールが充実しており、ビッグデータの分析にも優れています。
BigQueryは、機械学習や地理空間分析、ビジネスインテリジェンスなどの組み込み機能を利用してデータの管理と分析をサポートするフルマネージドのサービスのこと。
数テラバイトまたは数ペタバイトのデータに対し、数秒~数分でクエリを完了することができると言われています。外部テーブルのデータ評価もでき、連携クエリを使用して外部ソースからデータを読み取ります。そして、BigQuery MLなどのツールを使用してそのデータの分析を把握することが可能です。
ビッグデータの分析情報を利用すれば市場の把握や予想などが簡単にできるようになり、ビジネスのさまざまな場面で役立つでしょう。
GCPでは初心者でも使えるタイプから本格的なタイプまで多彩な分析ツールが準備されているため、使用者のレベルや目的に合わせて適切なツールを選択できます。
もともと検索エンジンを開発しているGoogle社だからこそ、データ分析については世界屈指の技術力を持っています。
GCPは、AI・機械学習といったサービスも得意としています。「Cloud Translation」や「Natural Language API」、「Vision API」、「Recommendations AI」をはじめ、多彩なAI・機械学習サービスを利用することが可能です。
たとえばCloud Translationは数千もの言語ペアでテキストを動的に翻訳できる機能があり、Natural Language APIは事前学習済みのモデルを使用してテキストの感情分析やエンティティ分析などを行うことができるAPIで、機械学習の知識がなくてもテキストの分析が行えます。
Vision APIは、Googleが持っている画像に関する機械学習モデルによって対象の画像からさまざまな情報を取得することが可能です。Recommendations AIは蓄積された経験と機械学習の技術を活かし、一人ひとりの趣味や好みに合わせておすすめ情報を提供しています。
このようにGCPには多様なAI・機械学習サービスがありますが、最大の武器はGoogleがこれまで培った大量の学習データモデルが既に用意されていることです。世界中で日々行われているGoogleサービスの通信によってAIや学習モデルが日々進化し続けているので、それらを活用して自社のサービスに活かすことができるメリットは計り知れません。
そもそもGoogleが外国の企業であることから、日本語に対応している資料があまりないという点はGCP導入におけるデメリットであるといえるでしょう。Google翻訳をはじめとした翻訳ソフトも精度が上がりつつありますが、翻訳する手間やニュアンスの理解など日本語に対応しているソリューションよりも理解するうえでのハードルは高いといえます。すべての機能を理解するために余分な時間が必要になるため、使い始めることが難しくなります。
GCPは他のクラウドコンピューティングサービスと比較した際にサービス・機能が少ないといわれています。例を挙げるとブロックチェーン技術や業界特有の特殊なツールなど、ニッチな分野で活用することができるようなソリューションが不足しています。そのため特殊な業界・ニッチな分野の企業に関してはGCPが最適ではなく、かえって使いづらくなってしまう可能性があります。
クラウドコンピューティングにおける「リージョン」とは、地理的に近い「ゾーン」をグループ化したものであり、所在地を特定できる・リージョンごとに完全に独立しているという特徴を持っています。GCPはこのリージョンが他の大手クラウドコンピューティングサービスと比べて少なく、場所の選択肢があまりないというデメリットがあります。災害時のデータ保護や低遅延でデータにアクセスしたい企業などにおいて不便さを感じる可能性があり、日々の運用や災害復旧計画に大きな影響を与えるかもしれません。
クラウドプラットフォームは世界中に数多くありますが、ビッグデータの活用や自社検索エンジンのノウハウを活用しているGCPは世界三大プラットフォームの一つに挙げられます。ほかにはAmazonの「AWS」やMicrosoftの「Azure」があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
AWSはEC大手のAmazonが提供するクラウドプラットフォームであり、世界三大プラットフォームの中で最も長い歴史を持っています。提供しているサービスの種類が豊富であるという特徴を持っており、日本語でのサポートが充実しているというメリットもあります。また、日本語での情報・ナレッジも集めやすいといわれています。
AzureはIT大手のMicrosoftが提供するクラウドプラットフォームです。2010年に「Windows Azure」としてリリースされた後、2014年に現在の名称「Azure」になりました。デファクトスタンダードであるMicrosoftOSやofficeソフトなどといったサービス・テクノロジーとの親和性が高いという特徴があり、オンプレミス環境との連携が容易なため大企業や官公庁などで積極的に導入されています。
GCPは世界中で活用されているGoogleが提供しているサービスのため、安定したインフラ環境やデータ分析技術など多くのメリットがあります。
一方、英語のドキュメントが多いなどのデメリットもあるため注意が必要です。
GCPを導入するにあたってはメリットだけでなくデメリットについてもしっかり把握し、よく納得した上でサービスを活用するようにしましょう。
IT技術の発達により、DXやクラウド化による業務の見直しが叫ばれる昨今。Googleが提供する安定したインフラを利用できるGCP(GoogleCloud)の導入で、社員の負担軽減&生産性アップを図りましょう。
しかし自社に適した環境構築には、専門的な技術やノウハウを持つエンジニアのサポートが欠かせません。
当サイトでは、基礎知識から導入支援パートナーの紹介まで、GCPに関する様々な情報を分かりやすくまとめていますので、是非お役立てください。
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